こんにちは。latina-wine管理人です。
本日は自転車のマークで有名なコノスルが手掛ける高級シリーズの『シングルヴィンヤード ピノ・ノワール』のレビューを行なっていきます。
筆者自身、コノスルのワインはデイリーワインとしてよく頂きますが、その上級キュヴェであるシングルヴィンヤードは初めて頂きます。どんな味わいなのか楽しみです!

『コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール』とはどんなワインか?

コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワールは、チリワインの作り手の中でも、特にピノ・ノワールに力を入れているコノスルが、単一畑の個性を最大限に引き出した上級シリーズのワインです。
サンアントニオ・ヴァレーにあるカンポ・リンド農園の第21区画(通称「ヴィエント・マル Viento Mar = 海風」)のブドウのみを使用して作られたワインです。
単一畑のワインとなりますので、畑の個性を楽しめる点が一番の特徴。この区画は海から約15kmと近いため、非常に冷涼な気候でブドウがゆっくりと熟すため、芳醇な果実味と引き締まったボディ、程よい酸味をもったワインに仕上がります。
『コノスル』とは?

テイスティングの前に、このコノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワールの作り手である『コノスル(Cono Sur)』について説明します。
コノスルは、チリを代表する革新的でコストパフォーマンスに優れたワインメーカーです。
コノスルといえば、コストパフォーマンスの良い旨安ワインを作っている印象が強い方もいるかもしれませんが、今回レビューする「シングルヴィンヤード」シリーズのような高品質で特徴のある上級シリーズのワインも多く手がけています。
また、ピノ・ノワールの栽培に力を入れている点も特徴で、チリでは栽培が難しいと言われていたピノ・ノワールの栽培と品質向上に早くから力を入れて取り組み、今ではチリを代表するピノ・ノワールの作り手として有名な存在となっています。
コノスルはサステナビリティにも力を入れています。できる限り化学肥料や除草剤を使わず、自然のサイクルを尊重した農法を取り入れています。環境・社会的に厳しい基準をクリアした企業に与えられるB-Corp認証をはじめ、ISO認証、カーボン・ニュートラル・デリバリー・ステータス(輸送時のCO2排出量を実質ゼロにする取り組み)などを取得している作り手です。
『シングルヴィンヤード ピノ・ノワール』をテイスティング
ここからはテイスティングレビューを行っていきます。「外観」、「香り」、「味わい」、「料理とのペアリング」の4項目でレビューしていきます。
淡いルビーレッドの外観

まずは外観です。印象はイメージしていた通りのルビーレッド。しっかりと光を通しますね。フランスのピノ・ノワールと比べるとやや淡めの色合いに見えます。
縁に熟成の気配は見えないですね。ヴィンテージは2022なので、まだ若いワインの色合いです。この色合いのワインからは、フレッシュで果実味の強い味わいであることが想像できます。
これは、もう少し熟成させたら縁(エッジ)がオレンジやガーネット色に変わり、見事なグラデーションを見せてくれるのでしょう。少し開けるのが早すぎたかな…という後悔も少しありますが、それはまた次の機会に取っておきましょう。
グラスからはピノ・ノワールらしい赤系果実の香り

続いて香りです。ピノ・ノワールらしい、芳醇な赤系果実の香り。ストロベリーほどフレッシュな香りではなく、どちらかというとラズベリー、チェリーといった表現がしっくりきます。
また、赤系果実の香りの中にピノ・ノワールの特徴である少しケモノっぽさ、赤身肉っぽいニュアンスも感じ取ることが出来ます。
ちなみに筆者はピノ・ノワールをテイスティングするときはこの肉っぽいニュアンスを探します。この香りを感じると、ピノ・ノワールらしい香りだなと感じます。
人によってはこの香りを赤身肉と表現はせず、シンプルに赤系果実の表現をするようです。人間の嗅覚は人によって異なっている証拠で面白いですね。
あと、樽の香りはそこまで感じないです。フレンチオークで11ヶ月ほど熟成しているワインですが、一部新樽も使っているとのことなので、ワインに樽の香りはそこまで残らないのかもしれません。
口に広がる芳醇な果実味

では実際に飲んでいきます。
…うん。果実味は想定していた通り豊富。芳醇。ラズベリーのような赤系果実の香りをしっかりと感じ取ることができます。
また、酸味もやや強めですね。甘酸っぱい果実の味と香りが口の中に飛び込んできます。
余韻は、うっすらと感じるほのかな渋みと名残惜しさを感じる果実の味わい。結構長く続きます。
とてもクオリティの高い味わいだと思います。この品質で3,000円を切る価格帯は、かなりコストパフォーマンスが良いのではないでしょうか。とても美味しいです。
ただ、1つ残念だったのは、ワインの若々しさが前面に出ており、ワインの深みはあまり感じられない点。2022ヴィンテージだとやはり開けるのが早すぎたかなと思います。
ただ、これも飲み手としての経験の一つ。このワインが熟成したらどんな味わいになるのかを楽しみに待つのも一興かと思います。いずれ、同じワインのオールドヴィンテージもテイスティングして、比較してみたいところです。
料理とのペアリング 〜 生ハムとチーズ 〜

では、料理とペアリングしていきます。今回は生ハムとチーズと合わせていきます。です。ピノと生ハム。ベタですが鉄板の組み合わせです。
ちなみにまだ若いワインだったので、生ハムは熟成が進んだタイプではなく、スーパー等で売っている比較的安価な生ハムを選びました。アクセントとしてこちらも非熟成の、ピスタチオを練り込んだタイプのチーズも添えています。
そのお味は…生ハムの塩っぽさとピノの酸味がよく合う。また、ピノの酸味が生ハムの肉の旨みを引き出す。シンプルなペアリングですが、間違いのない組み合わせです。
チーズとも合わせてみました。こちらは悪くはないですが、チーズ自体がかなり濃厚過ぎたせいか、ピノの果実味がボヤける印象。ただ、チーズの中に含まれるピスタチオの草っぽさは引き立ちます。
このペアリングを言い換えるなら、小学校中学年くらいの子供たちが公園で仲良く遊んでいるイメージでしょうか。若々しくエネルギッシュなワインと生ハムが、楽しくはしゃいでいる絵が浮かんできます。
『コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール』の評価まとめ
総合評価 ★★★☆☆(3.5)
ピノ・ノワールらしい赤系果実の芳醇な香りと全体を引き締める程よい酸味のバランスがGOOD。
渋み ★★☆☆☆ (2:弱め)
余韻としてほのかに感じるタンニンの渋み。
甘み ★★☆☆☆ (2:弱め)
果物本来のほのかな甘み。
酸味 ★★★☆☆ (3:普通)
全体の味わいのバランスを整える程よい酸味。
香り ★★★★☆ (4:強め)
チェリー、ラズベリーを思わせる芳醇な赤系果実の香り。
今回テイスティングした『コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール』
今回、テイスティングレビューをした『コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール』は以下より購入可能です。
記事を読んで、興味を持った方はぜひ購入してみてくださいね。
単一畑で作られたワンランク上のピノ・ノワール「コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール」
コノスルが単一畑の個性を最大限に引き出した、テロワールの深遠な表現が魅力の「コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール」
熟した赤系果実のアロマに、スミレや樽由来の複雑なニュアンスが重なる、凝縮感と洗練された味わいが特徴です。
ワンランク上のピノ・ノワールでありながら、比較的手頃な価格で、その奥深い世界を手軽に楽しむことが可能です。
チリのピノ・ノワールの奥深さとエレガンスを堪能したい方におすすめしたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: ピノ・ノワール 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: カサブランカ・ヴァレー(Casablanca Valley)
- 生産者: コノスル (Cono Sur)
- 内容量: 750ml
- 渋み: ★★☆☆☆ (2:弱め)
- 甘み: ★★☆☆☆ (2:弱め)
- 酸味: ★★★☆☆ (3:普通)
- 果実味: ★★★★☆ (4:強め)
- 合う料理: すき焼き、生ハム、赤身肉のステーキ(シンプルな味付けで)
おわりに
いかがでしたでしょうか?
旨安なデイリーワインで有名な「コノスル」が手掛ける単一畑のピノ・ノワール。正直、コノスルの印象が大きく変わったといっても過言ではないクオリティでした。それでいて価格帯は3,000円を切るのは驚きです!コノスルならではのコストパフォーマンスの高さと言えるでしょう。
普段飲んでいるワインよりも、ワングレード上のワインを楽しみたいという時にこのワインが1本あれば、ワインを楽しむ幅をさらに広げてくれると思います。ぜひ一度お試しください。
今回の記事が、ワイン好きの皆さんにとって何かしらのお役に立てれば幸いです。
※ 価格は2025年11月時点のものとなりますのでご注意ください。



