こんにちは。latina-wine管理人です。
本日はブラジル最大の作り手であるアウロラ社(Aurora)が手掛ける、超甘口ワインで有名なで有名な『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ(Sangue de Boi Suave)』のレビューを行なっていきます。
実はこのワイン、ブラジルの皆さんにとっては超有名なワインで、ブラジルのワインといえばこれという一品だとか。結構甘いという情報を事前に仕入れていましたので、どれくらい甘いのか楽しみです。
それではどんな味わいなのか、見ていきましょう!

『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ』とはどんなワインか?

サンゲ・デ・ボイ スアーヴェはブラジルではかなりポピュラーなワインで、ブラジルのワインといえばこれ!という人も少なくありません。
甘口でアルコール度数も低めなので飲みやすいと評判で、デイリーワインとしてごくごく飲めてしまうことから、ブラジル国内で広く親しまれているワインです。
ワインの名前にあるサンゲ・デ・ボイはSangue(サンゲ)=血、de Boi (デ・ボイ)=雄牛のという意味で、直訳すると『雄牛の血』という意味になります。
※ ちなみにSuave(スアーヴェ)は甘口という意味です。
なぜこのような名前になったのかは定かではありませんが、そのワインの色の濃さからこの名前がつけられたと想像できます。
甘口で、アルコール度数も低く、その上ワインの色が濃い…とは、色々矛盾している気がしなくも無いですが、どんなワインなのかテイスティングするのが楽しみですね。
『アウロラ(Aurora)社』とは?

テイスティングの前に、このサンゲ・デ・ボイ スアーヴェの作り手である、『アウロラ(Aurora)社』について説明します。
アウロラ社は1931年創業の長い歴史を持ち、ブラジル国内のワイン市場のうち30%を占める、ブラジル最大のワイナリーです。
イタリアからの移民家族によって設立された歴史を持ち、現在も約1,100組もの提携農家からブドウを購入してワインを生産しています。
今回テイスティングする「サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ」のようなデイリーワインから、本格的なヨーロッパ系のブドウ品種を使ったワインまで幅広く生産しています。
また、フルトレーサビリティにも力を入れており、ブドウの作付けから収穫、ワインボトル詰めまでを徹底的に管理することでワインの安全性を高めています。
『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ』をテイスティング
ここからはテイスティングレビューを行っていきます。「外観」、「香り」、「味わい」、「料理とのペアリング」の4項目でレビューしていきます。
外観はやや明るめのルビーレッド

まずは外観です。ワインの名前にある『雄牛の血』というだけあって、濃厚感のある赤が特徴…と思いきや、意外と明るめの色合い。
ガーネット系の深い赤紫をイメージしていましたが、どちらかというとルビーレッドという表現が近そうです。
他のブドウ品種で例えるなら、カベルネ・ソーヴィニヨンのような深い赤紫ではなく、ガメイやマスカット・ベーリーAの明るさに近いかもしれません。
でも、甘くてアルコール度数が低いのに色合いは深い赤紫というワインは少し矛盾しており、正直イメージが湧かなかったので、そういう意味では期待通りなのかもしれませんね。
グラスから香るのは、生のぶどうの果実香

続けて香りも見ていきましょう。
まず最初に感じるのは、ブドウ本来の果実の香り。いや、これはブドウそのものの香り。
さらにその裏にはブドウの果皮や茎といった草っぽさというか、土っぽさというか、そんなニュアンスをほのかに感じます。
うーん、ここまでブドウ本来の香りが残っているワインは、正直今まで飲んだことがないかも。と思えるくらい、生のブドウの香りがします。
恐らく、ワインを作る工程の中で発酵を途中で止め、甘みを残していると思うので、その関係で複雑味は生まれず、ブドウそのものの香りがしっかりと残っているもの思われます。
これは、、ワイン飲みの筆者としても初の体験になるかも。胸が躍ります。
噂に違わぬ超甘口な味わい

では、実際に飲んでみましょう。
これは、、一言で言うとアルコールが入ったブドウジュース。香りを見た時からある程度想定はしていましたが、ブドウ本来の甘みと果実味がしっかりと残った、まさに想定通りの味わいです。
そう聞くと、クオリティの低いワインに感じられてしまうかもしれませんが、個人的にはこれはこれでありだと思います。
変に加糖した甘みを感じてしまうと、個人的にはうーん。と思ってしまいますが、ブドウの甘みを直で感じられるので、甘いワインを飲むんだ!と心に決めて飲むには良いワインだと思います。
ただ、本格的なワインをイメージして飲んでしまうと肩透かしを喰らうかもしれませんね。ワインを飲んだ経験が浅い方であれば、シンプルに美味しいと感じられるワインだと思います。ただ、少し好き嫌いは出るかもしれません。
あと、アルコール度数が低いので結構ぐいぐいいけます。ブラジルの方が好んで飲む理由がわかる気がします。気づけば飲むペースが早まってしまいますね。ただ、とは言ってもアルコール度数は9%あるので、調子に乗っていると悪酔いしそう。注意が必要です笑
料理とのペアリング 〜 牛焼肉と野菜のグリル 〜

続けて料理とペアリングしてみましょう。今回は『牛焼肉と野菜のグリル』と合わせてみます。
ちなみに、今回のワインはブラジル料理のシュラスコとよく合うとのことですが、自宅でシュラスコを作るのはハードルが高いので…こちらの料理を用意しました。
味付けは塩コショウ控えめ。代わりに焼肉のタレをつけていただきます。
そのお味は…うん、肉の脂身とワインの甘みが意外と合います。脂っこさをそれなりに中和し、肉の旨みを舌に残してくれます。
更に、玉ねぎの甘みと相性がとても良いのが驚き。お互いの甘みを上手く引き出してくれて良い感じです。
焼肉のタレの甘味とも合うかなと思ったけれど、ワインの甘味の方が打ち勝ってしまいますね。それくらい甘いワインということですね。
全体的にワインの甘みと肉の脂、脂の染みた野菜たちが上手くマリアージュしたペアリングとなりました。美味しく頂きました。
『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ』の評価まとめ
総合評価 ★★★☆☆(3)
苦いワインは苦手だけど。甘口ワインがお好きな方におすすめ。ただ、好き嫌いが分かれるかも。
渋み ★★☆☆☆ (2:弱め)
ほぼ感じないが、わずかに果皮の渋みを感じる。
甘み ★★★★★ (5:強い)
ブドウジュースのような果実本来の甘みをストレートに感じる。
酸味 ★★☆☆☆ (2:弱め)
甘みの中にこっそり隠れる酸味あり。
香り ★★★★☆ (4:強め)
生のブドウの香りがそのまま生かされている。ほのかな草っぽさも感じる。
今回テイスティングした『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ』
今回、テイスティングレビューをした『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ』は以下より購入可能です。記事を読んで、興味を持った方はぜひ購入してみてくださいね。
濃厚な甘さが特徴「サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ」
ブラジル最大の協同組合ワイナリーであるアウロラの特徴的なワイン「サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ」です。
「サンゲ・デ・ボイ」は「牛の血」を意味するその濃い色合いに由来し、「スアーヴェ」は「甘口」を表します。その名の通り、その味わいは甘くてまろやか。飲みやすいスタイルが特徴のワインです。
口に含むと、まるで綿あめのような優しい甘みが広がり、ブランデーを思わせる芳醇なアロマが心地よく鼻腔をくすぐります。アルコール度数も比較的低く(約9%)抑えられているため、ワイン初心者の方や甘口ワインを好む方に特におすすめしたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: イザベル、コンコード、セイベル
- 度数: 10.2%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 2:弱め
- 甘み: 5:強い
- 酸味: 2:弱め
- 果実味: 4:強め
- 合う料理:
おわりに
いかがでしたでしょうか?
ブラジルの国民的ワインで、超甘口で評判の『サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ』をテイスティングしてみましたが、前評判以上の甘口で、ブドウ本来の甘味を持った、ごくごく飲めてしまうワインでした。
本格的なワインを好む方にはちょっと合わないかもしれませんが、日々のデイリーワインとして、ごくごく飲みたい方にはおすすめの一品だと思います。BBQのお供にも良さそうです。ぜひ一度お試しあれ。
今回の記事が、ワイン好きの皆さんにとって何かしらのお役に立てれば幸いです。
※ 価格は2025年10月時点のものとなりますのでご注意ください。



