南米大陸の中でも多くの高品質なワインを生み出しているアルゼンチン。
アルゼンチンでは数多くの個性豊かなブドウ品種が栽培されており、それらから造られる多様なワインは世界中のワイン愛好家から高く評価されています。
では、アルゼンチンではどのようなブドウ品種が栽培されているのでしょうか?
この記事では、
- アルゼンチンワインのブドウ品種の特徴
- 主要なブドウ品種4選
- 品種ごとのおすすめワイン
をご紹介します。
この記事を読めば、きっとお好みのワインが見つかると思います。ぜひ最後まで記事を読み進んでみてください。

アルゼンチンワインのブドウ品種の特徴

アルゼンチンワインのブドウ品種の全体的な特徴として、まず挙げられるのは、ほぼ全てのブドウが高地栽培が行われていると言う点です。
アルゼンチンのワイン産地のほとんどは、アンデス山脈のふもとに位置しており、他のワイン生産国と比較しても標高が高い場所に畑が広がっています。
また、強い日差しと大きな昼夜の寒暖差が、ブドウの豊かな果実味とフレッシュな酸味を両立させ、果皮を厚くし色調が濃く凝縮したブドウを生み出します。
このように、アルゼンチンのブドウ品種はアンデス山脈の麓の地形と、昼夜の寒暖差が大きい気候により、力強く果実味豊かでありながら酸味も兼ね備えた、バランスの良いワインが生まれます。
アルゼンチンワインを代表するブドウ品種4選
アルゼンチンには数多くのブドウ品種が存在しており、それぞれの特徴は様々。作り上げられるワインの味わいも異なります。
では、アルゼンチンにはどのようなブドウ品種が存在しているのでしょうか?
その特徴と、代表的なワインを合わせてご説明します。
マルベック(Malbec)
『マルベック』は、アルゼンチンワインを代表するブドウ品種です。「濃厚な味わいと滑らかな口当たり」で、世界中のワイン愛好家から高く評価され、その真価を世界に知らしめました。
非常に濃く紫がかった美しい色合いが特徴で、グラスに注ぐとその力強さが伝わってきます。香りはブラックベリーやプラム、チェリーなどの熟した黒系果実が主体。バニラやチョコレート、スパイスのニュアンスも加わり、品種特有の豊かなアロマを醸し出します。
味わいの最大の魅力は、その力強さと滑らかさのバランスです。口に含むと凝縮した果実味が広がり、タンニンはしっかりとしつつも非常にきめ細かく、まろやか。アンデス山脈の麓の高地栽培における日照と大きな寒暖差が、この豊かな果実味とバランスの良い酸味を両立させます。
特に肉料理との相性は抜群で、ステーキ等の料理と合わせると、ワインの果実味と肉の旨みが互いを引き立て合います。
【おすすめワイン】 品種本来の豊かな果実味が特徴「カイケン・エステート・マルベック」
アルゼンチンの大地で育まれた、マルベックの魅力が詰まった『カイケン・エステート・マルベック』です。
このワインは、マルベック特有の黒い果実の豊かなアロマが広がり、軽やかで親しみやすいスタイルに仕上がっています。
豊かな果実味と軽快な飲み心地は、赤身の肉料理や日本の焼き鳥とも相性抜群。
価格も非常に手頃で、良い品質のマルベックを手軽に楽しめるワインです。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 14.0%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: カイケン (Kaiken)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
- 合う料理:
カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
『カベルネ・ソーヴィニヨン』は、世界各地で栽培されている国際的な品種ですが、アルゼンチンの場合は他の国で作られるカベルネ・ソーヴィニヨンに比べると力強さが際立つスタイルとなります。
アンデス山脈の麓に広がる高標高の畑では、強い日差しがブドウの果皮を厚くし、色素やタンニンを凝縮させます。同時に、昼夜の大きな寒暖差がフレッシュな酸味を保ち、豊かな果実味と骨格のバランスがとれた、深みのある味わいを生み出します。
完熟した黒い果実の風味を中心に、ユーカリやミントのニュアンス。樽熟成で杉やタバコの複雑さが加わり、マルベックのまろやかさとは対照的に、力強く洗練されたタンニンが特徴です。
【おすすめワイン】 ブドウ品種の個性と樽のニュアンスが調和したスタイルが特徴「ボデガ・ノートン カベルネ・ソーヴィニョン・バレル・セレクト」
熟練の技でオーク樽熟成された、ボデガ・ノートンのカベルネ・ソーヴィニョン「バレル・セレクト」です。
口に含むと、カシスやブラックチェリーの豊かな香りにヴァニラやトーストのニュアンスが重なり、力強い果実味と骨格あるタンニンがまろやかに調和する奥深い味わいです。
ブドウ品種の個性を表現しつつも、オーク樽のニュアンスが巧みに加わることで、このワインは特別な存在感を放ちます。フルーティーさと複雑さが共存するその味わいは、まさにバランスの極みです。
力強いカベルネ・ソーヴィニョンとオーク樽のハーモニーを堪能したい方に、まさにぴったりな一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: カベルネ・ソーヴィニヨン 100%
- 度数: 14.0%
- 生産地: メンドーサ州(Mendoza)
- 生産者: ボデガ・ノートン (Bodega Norton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 5:強い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 5:強い
- 合う料理: ステーキ(塩でシンプルに)、豚の角煮、ゴーダチーズ
トロンテス(Torrontés)
アルゼンチンで独自の進化を遂げた固有の白ブドウ品種トロンテスは、驚くほど華やかな香りと、香りとは反する辛口の味わいが特徴です。
ジャスミンやバラ、ライチ、グレープフルーツなどの芳醇なアロマが豊かに広がる一方、口に含むとキレの良い酸味とドライな味わいに仕上がっています。
特にサルタ州で栽培されるトロンテスは高品質なものが多く、高標高の冷涼な環境で育まれ、フレッシュで爽快な酸味と軽やかなボディが生まれます。
スパイシーなエスニック料理やタイ料理、インド料理といったスパイシーな味付けの料理との相性が抜群。料理とワインのペアリングの幅を広げてくれるブドウ品種です。
【おすすめワイン】 古木由来の凝縮感と複雑味が特徴「オールド・ヴァイン 1945 トロンテス」
樹齢80年近くの古木(オールド・ヴァイン)のブドウが育む、凝縮感と複雑味が特徴のプレミアムワイン「オールド・ヴァイン 1945 トロンテス」です。
ジャスミンのフローラルな香りに、マスカット、マルメロのジューシーな果実香が複雑に絡み合う、繊細で表現力豊かな味わいです。
古木ならではの凝縮感と複雑味が、より深みのあるトロンテスを求める方を魅了します。
柑橘系のフレッシュな果実味とミネラルのニュアンス、生き生きとした酸が全体を引き締める、トロンテスの中でも最高レベルの品質を持つワインです。
- 種類: 白ワイン
- 品種: トロンテス 100%
- 度数: 13.5% 〜 14.5%
- 生産地: サルタ州(Salta)
- 生産者: ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 4:強め
- 果実味: 4:強め
- 合う料理: 魚介の天ぷら、生春巻き、アスパラガスのグリル
シャルドネ(Chardonnay)
『シャルドネ』は世界的に有名で各国で栽培されるブドウ品種ですが、アルゼンチンでも多く栽培されています。
シャルドネは、テロワールと醸造方法によって、多様な表情を見せる点が特徴の白ブドウ品種です。
アルゼンチンのシャルドネは、アンデス山脈の高標高(特にメンドーサ州ウコ・ヴァレーなど)で栽培され、冷涼な気候と昼夜の大きな寒暖差が、フレッシュな酸味と凝縮した果実味を両立させた、バランスの良いワインを育みます。
樽熟成なしのスタイルは、青リンゴやレモンの爽やかな香りとキレのある酸味が特徴です。一方、樽熟成を経たものは、パイナップルやマンゴーの完熟した香りに、バターやトースト、バニラの複雑なニュアンスが加わり、まろやかでふくよかな口当たりが魅力です。
トロンテスの華やかな香りと異なり、シャルドネは穏やかな香りでテロワールを映し出し、幅広い料理と相性抜群です。
【おすすめワイン】 濃厚でリッチな中にもフレッシュさを感じる一品「エル・エステコ ドン・ダビ シャルドネ レゼルバ」
高標高が育んだ凝縮感・フレッシュさと豊かで複雑な香りを持つ「エル・エステコ ドン・ダビ シャルドネ レゼルバ」
このワインは、アルゼンチン北部のサルタ州カファジャテ渓谷という、標高1,700mを超える高地で造られる個性的な白ワインです。
強い日差しがもたらす凝縮した果実味と、昼夜の寒暖差によるフレッシュでキレの良い酸味を両立させる、この地ならではの確かな品質と味わいを楽しむことが出来ます。
完熟パイナップルやマンゴーのようなトロピカルフルーツの豊かな香りに、ナッツやバターのニュアンスも感じることができます。濃厚でリッチながらも重たすぎず、フレッシュさを感じることができる一品です。
- 種類: 白ワイン
- 品種: シャルドネ 100%
- 度数: 13.5% ~ 14.0%
- 生産地: サルタ州(Salta)
- 生産者: ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 4:強め
- 果実味: 4:強め
- 合う料理: シーフードグラタン、ホタテのバターソテー、野菜のグリル
おわりに
いかがでしたでしょうか?
アルゼンチンには多くのブドウ品種が存在していますが、品種によってその特徴は大きく異なります。
もしこの記事を見て、気になるブドウ品種を見つけたのであれば、ぜひ一度、その品種のワインを飲んでみてください。きっとアルゼンチンのワインに対する理解がより深まると思います。
今回の記事が、アルゼンチンのワインに興味をお持ちの方にとって、良いきっかけとなれば幸いです。
※ 価格は2025年10月時点のものとなりますのでご注意ください。





