南米大陸の南東部に位置するワイン生産国『ブラジル』まだ日本ではワイン生産国としての馴染みが薄いかもしれませんが、どのような特徴を持ち、どんなワインが作られているのでしょうか?
この記事では、
- ブラジルワインの特徴
- 主な品種、生産地
- おすすめのブラジルワイン6選
をご紹介します。
この記事を読めば、お好みのブラジルワインが見つかります。是非最後まで記事を読み進んでもらえると幸いです。

ブラジルワインの特徴
ブラジルは南米で第3位のぶどう栽培面積を誇る、『個性豊かな高品質ワインの隠れた銘醸地』として注目されています。
主な生産地はブラジル南部で、比較的冷涼で四季がはっきりしている気候が、品質の良いワインを生み出す土台となっています。
特に、フランスのシャンパーニュと同じ製法である瓶内二次発酵で作られたスパークリングワインは有名で、きめ細やかな泡と深みのある味わいが特徴です。スティルワインも、その土地の個性を映し出す多様な味わいを楽しむことができます。
まだ日本ではマイナーな産地であるため、品揃えは少なく、やや金額が高めに感じるかもしれません。しかし、ブラジルワインは多くの日本人がまだ見ぬ魅力を持つ、高品質なワインが存在しています。そんなブラジルワインに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
ブラジルワインの主要品種
ブラジルでは、多種多様なぶどう品種が栽培されていますが、主にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった日本人にとって馴染み深い、ヨーロッパ系品種が多いことが特徴です。
さらには、スパークリングワインの分野ではシャルドネやピノ・ノワールといった品種が用いられ、国際的にも高い評価を得ています。
では、具体的にどんな品種が使われているのか詳しく見ていきましょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン
ブラジルでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが多く栽培されており、高品質なワインが造られています。
しっかりとした骨格を持つブラジルのカベルネ・ソーヴィニヨンは、カシスやブラックベリーのような凝縮した黒系果実の豊かな香りが特徴的。深みのあるルビー色で、その香りには複雑なニュアンスも感じられます。
さらには熟成を経ることで、より複雑な香りや深みのある味わいへと変化を遂げているワインも存在します。
ブラジルのカベルネ・ソーヴィニヨンは シュラスコのようながっつりとした牛肉料理やとの相性は抜群です。肉料理に合う力強さを備えたワインがお好みの方に特におすすめです。
シャルドネ
白ワインの女王とも称される『シャルドネ』は、ブラジルでも人気があり多く栽培されています。世界中で栽培されている品種ですが、ブラジルにおいても、多様なテロワールで高品質なシャルドネが造られています。
輝きのある淡いイエローから、黄金色を帯びた色調で、トロピカルフルーツ(パイナップル、マンゴー)、シトラス(レモン、グレープフルーツ)、洋梨、リンゴといった豊かな果実のアロマが特徴です。
また、樽熟成されたものは、バニラ、バター、ナッツのような複雑なニュアンスも楽しめます。
コクのある果実味としっかりとしたボディを持ちながらも、フレッシュで心地よい酸味が全体のバランスを保ち、飲みやすい仕上がりとなっています。
さらに、シャルドネはスパークリングワインの主要品種としても使用されており、高品質なスパークリングワインが造られています。
ブラジルワインの産地
ブラジルのぶどう栽培は、そのおよそ90%がブラジル最南端のリオ・グランデ・ド・スル州 (Rio Grande do Sul)に集中しています。
この地域は昼夜の寒暖差が大きく、それがぶどうに豊かなアロマと酸味を与えてくれます。
日本で購入できるブラジルワインも、ほぼ全てがこの州で造られたものです。
ブラジルワインの作り手
では次に、ブラジルワインの造り手についてご説明します。
ブラジルでは、イタリア系の移民によってブドウが持ち込まれた歴史を持ち、現在もその子孫であるイタリア系ブラジル人によって手掛けられています。脈々と受け継がれる伝統と、それぞれのテロワールに対する深い理解と愛情が、彼らのワインに魂を吹き込んでいます。
ブラジルワイン生産者は大きく2パターンに分かれます。一つは、複数のブドウ栽培農家が集まって設立された大手協同組合(コオペラティーヴァ)。もう一つは古くからの家族経営のワイナリーです。
大手協同組合は大規模なワイナリーが多く、手ごろな価格で楽しみやすいテーブルワインから高品質なワインまで幅広く手掛けています。
家族経営のワイナリーは、比較的小規模なワイナリーが多く、大量生産よりも品質にこだわりを持つワイナリーが多いのが特徴です。
では、情熱あふれるブラジルのワイン生産者たちを見ていきましょう。
サルトン(Salton)
ブラジル南部のワイン銘醸地、リオ・グランデ・ド・スル州に本拠を置く、ブラジルを代表する家族経営のワイナリーです。
1878年にイタリアからブラジルへ移住した家族によって礎が築かれ、1910年に正式にワイナリーを設立。創業100年を超えるその歴史と共に、高品質なワインを生産し続けています。
特にブラジルの高品質なスパークリングワインの生産者として、国際的にも高く評価されています。また、スパークリングワイン以外も幅広く手掛けており、ローマ教皇に献上されたプレミアムラインから、日常的に楽しめる手軽なテーブルワインまで、多様なニーズに応える製品群で世界中のワイン愛好家を魅了しています。
アウロラ(Aurora)
1931年にイタリア系移民のブドウ農家16家族が、力を合わせてワイン造りを行うために設立した「アウロラ」現在では1,100以上の農家が参加する、ブラジル最大の協同組合ワイナリーです。
アウロラは、多様なテロワールを反映したワイン造りを行い、手頃な価格で親しみやすいワインから、国際的なコンクールで受賞する高品質なワインまで、幅広い価格帯とスタイルのブランドを展開しています。品質へのこだわりと、消費者に寄り添う姿勢が特徴です。
また、スパークリングワインの評価も非常に高く、シャルドネやピノ・ノワールなどを使った、高品質でコストパフォーマンスに優れたスパークリングワインを多数生み出しています。
ブラジルワインの購入方法
では、ブラジルワイン はどこで購入できるのでしょうか?普段ワインを嗜まれる方も、なかなか目にしていないのではないでしょうか。
なぜなら、流通の問題や日本国内での知名度の問題から、ブラジルワインが国内で販売されるケースは稀だからです。特に、店頭には置いていない店がほとんどと言えるでしょう。
ブラジルワインを購入する場合は、ネット通販で購入するのが一般的です。特にAmazonや楽天といった大手通販サイトがおすすめです。品揃えも多いので、一度覗いてみると良いでしょう。
きっと興味を惹かれるワインが眠っていると思いますよ。
ブラジルワインの選び方
多くの種類が販売されており、それぞれ特徴も異なるブラジルワインですが、実際どういった基準で選べば良いのでしょうか?
ここからはブラジルワインの選び方についてご説明します。
品種で選ぶ
ブラジルワインは、多くのヨーロッパ系品種が使われており、皆さんもよく知っている品種も多いです。まずはご自身が好きな品種からワインを選ぶのが無難かと思います。
まずは飲みたい品種をイメージして、その単一ワインからチャレンジするのが良いでしょう。
作り手で選ぶ
ブラジルワインは作り手による違いが大きいです。同じぶどう品種であっても、作り手によってワインの味わいが異なるため、ご自身がイメージする味に近い生産者を見つけることが大事です。
特に、大手協同組合のワインか、家族経営ワイナリーのワインかによって趣が異なります。安定した味わいを低価格で楽しむなら大手協同組合のワインを、ちょっと奮発して良いワインを飲むなら家族経営ワイナリーのワインを選ぶのが良いでしょう。
ぜひ様々な作り手のワインを試していただき、ご自身の好みに合う一本、そしてお気に入りの作り手を見つけてみてくださいね。
購入時チェックリスト
ここまでに説明したブラジルワイン選びのポイントを、チェックリストにまとめました。購入時の参考にしてもらえると幸いです。
- 自分好みの品種かどうか?
- 自身の好みに合った作り手かどうか?
おすすめブラジルワイン6選
タンニンの旨味が溶け込んだ滑らかな口当たり「サルトン クラシックタナ」

タンニンが豊富でありながら、滑らかな口当たりが魅力の「サルトン クラシック タナ」
その名の通りタナ100%で造られた、この地のテロワールを象徴するワインです。
深く濃い色合いを呈し、グラスからはプラム、イチジク、ブルーベリーといった黒系果実の凝縮した香りが立ち上ります。さらに、スミレの花やハーブ、スパイスのニュアンス、そしてオーク樽由来のバニラやカカオの甘い香りが複雑に絡み合い、深みのある味わいを楽しむことができるワインです。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: タナ 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 5:強い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 4:強め
- 果実味: 4:強め
濃厚な甘さが特徴「サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ」

ブラジル最大の協同組合ワイナリーであるアウロラの特徴的なワイン「サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ」です。
「サンゲ・デ・ボイ」は「牛の血」を意味するその濃い色合いに由来し、「スアーヴェ」は「甘口」を表します。その名の通り、その味わいは甘くてまろやか。飲みやすいスタイルが特徴のワインです。
口に含むと、まるで綿あめのような優しい甘みが広がり、ブランデーを思わせる芳醇なアロマが心地よく鼻腔をくすぐります。アルコール度数も比較的低く(約9%)抑えられているため、ワイン初心者の方や甘口ワインを好む方に特におすすめしたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: イザベル、コンコード、セイベル
- 度数: 10.2%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 2:弱め
- 甘み: 5:強い
- 酸味: 2:弱め
- 果実味: 4:強め
ブラジルらしい個性的な味わいが特徴「アウロラ カベルネ・ソーヴィニヨン」

ブラジルのアウロラ社が手掛ける「アウロラ カベルネ・ソーヴィニヨン」ブラジルのテロワールを存分に表現した、凝縮感のある果実味とボリューム感が特徴的な一本です。
口に含むと、凝縮した果実味と共にカカオやバラ、枯れ葉、キノコのような複雑な香りが心地よく広がり、しっかりとしたタンニンとコーヒー豆のようなほのかな苦味が絶妙に調和して、奥深く複雑なフルボディの味わいを生み出します。
シュラスコなどボリュームのある肉料理と非常によく合い、互いの風味を引き立て合います。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: カベルネ・ソーヴィニヨン 100%
- 度数: 13.5% 〜 14.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
オーク樽由来の豊かなアロマ「フラサオ・ウニカ シャルドネ」

「フラサオ・ウニカ シャルドネ」は「ユニークな区画」を意味すします。その名の通り、テロワールを最大限に表現するために厳選されたブドウのみを用いて造られたワインです。
このワインは、オーク樽由来のバターのようなアロマに加え、ホワイトチョコレートやバニラの香りが豊かに広がり、心地よい奥行きを与えます。しっかりとした味わいの中には、柑橘系の風味と程よい酸味が感じられ、全体のバランスが秀逸な一本に仕上がっています。
厳選されたブドウから生まれるその品質は確かながら、高品質なシャルドネを日常の食卓で手軽な価格で楽しめる一品です。
- 種類: 白ワイン
- 品種: シャルドネ 100%
- 度数: 13.0%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 3:普通
酸味が穏やかで、親しみやすい味わい「サルトン ロゼ スパークリング」

華やかなサーモンピンクの色調と、きめ細かな泡立ちが美しいロゼスパークリングワイン「サルトン ロゼ スパークリング」
赤いベリーやアプリコットのようなフルーティーな香りに加え、トーストのような香ばしいニュアンスも感じられ、酸味が穏やかで親しみやすい味わいが特徴です。
ブラジルの伝統的なスパークリングワインの魅力と、新しい感覚のモダンなロゼの味わいを両方楽しみたい方に、ぜひ一度試してもらいたい一本です。
- 種類: スパークリングロゼ
- 品種: ピノノワール、シャルドネ
- 度数: 11.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
南国ブラジルらしいダイナミックでフルーティーなスタイル「アウロラ エスプマンテ・ブリュット」

南国ブラジル生まれのスパークリングワイン「アウロラ エスプマンテ・ブリュット」フレッシュな柑橘類の風味とキレのある酸味が特徴的なワインです。
口に含むと、白い花や白桃を思わせるアロマが広がり、爽やかで軽快な口当たりが楽しめます。トロピカルな果実味とキレのある酸が見事なバランスを織りなす、南国ブラジルらしいダイナミックでフルーティーなスタイルを楽しむことができます。
さらに、このクオリティながら値段もお手頃なので、お財布にも優しい価格帯。気軽に手に取れる一本です。
- 種類: スパークリングワイン
- 品種: ピノノワール、シャルドネ
- 度数: 11.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 5:強い
- 果実味: 3:普通
比較表
ここまでに説明したブラジルワインの特徴を表にまとめました。
購入時の参考にしてもらえると幸いです。
サルトン クラシックタナ | サンゲ・デ・ボイ スアーヴェ | アウロラ カベルネ・ソーヴィニヨン | フラサオ・ウニカ シャルドネ | サルトン ロゼ スパークリング | アウロラ エスプマンテ・ブリュット | |
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写真 |
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本体価格 | 4,180 円 |
1,744 円 |
¥1,600 円 |
2,640 円 |
5,500 円 |
¥2,150 円 |
種類 | 赤ワイン | 赤ワイン | 赤ワイン | 白ワイン | スパークリングロゼ | スパークリングワイン |
品種 | タナ 100% | イザベル、コンコード、セイベル | カベルネ・ソーヴィニヨン 100% | シャルドネ 100% | ピノノワール、シャルドネ | ピノノワール、シャルドネ |
度数 | 13.5% | 10.2% | 13.5% 〜 14.5% | 13.0% | 11.5% | 11.5% |
生産地 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 |
生産者 | ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton) | ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora) | ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora) | ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton) | ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton) | ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora) |
内容量 | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml |
渋み | 5:強い | 2:弱め | 4:強め | 1:弱い | 1:弱い | 1:弱い |
甘み | 2:弱め | 5:強い | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め |
酸味 | 4:強め | 2:弱め | 3:普通 | 3:普通 | 3:普通 | 5:強い |
果実味 | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 3:普通 | 4:強め | 3:普通 |
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おわりに
いかがでしたでしょうか?
まだ日本国内では知名度の低いブラジルワインではありますが、その魅力は計り知れません。個性豊かで品質の高いワインが多く、一度味わえば、きっとその奥深さに魅了されるはずです。
知る人ぞ知るワインとして、周囲から「おっ」と一目置かれること、間違いなしです。ぜひ一度試してくださいね。
今回の記事が、ブラジルワインに興味がある方にとって、参考になれば幸いです。
※ 価格は2025年8月時点のものとなりますのでご注意ください。