南米大陸に位置するワイン生産国ブラジルですが、実は高品質スパークリングワインの名産地です。まだ日本では知名度が低い生産地ですが、どのような特徴を持ち、どんなスパークリングワインが作られているのでしょうか?
この記事では、
- ブラジル産スパークリングワインの特徴
- 主な作り手
- おすすめのブラジル産スパークリングワイン4選
をご紹介します。
この記事を読めば、お好みのブラジル産スパークリングワインが見つかります。是非最後まで記事を読み進んでもらえると幸いです。

ブラジル産スパークリングワインの特徴
ブラジルのスパークリングワインは「エスプマンチ(Espumante)」と呼ばれ、『品質とコスパの高さで世界が注目する南米のスパークリングワイン』として急速に存在感を高めています。
主要生産地は国土最南端のリオ・グランデ・ド・スル州、特に冷涼なセハ・ガウーシャ地域です。スパークリングワインに適したブドウが育つこの地で、イタリア移民の技術と、モエ・エ・シャンドン社の参入がその品質を磨きました。
まだ日本ではマイナーな産地であるため、スーパーなどで気軽に手に入るほど品揃えは多くないのが実情です。しかし、ブラジルのスパークリングワインは比較的安価で品質の高いワインが揃っており、一度体験すればその魅力に引き込まれること間違いなしです。
ブラジル産スパークリングワインの味わい
ブラジルの中でも比較的冷涼な気候である南部地方では、その気候から高品質なスパークリングワインが生まれています。
その味わいは、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘系のアロマに加え、青リンゴや洋ナシ、白い花のようなニュアンスも感じられます。フレッシュな果実味と、ぶどうが持つフレッシュな酸が全体のバランスを保ち、飲みやすい仕上がりとなるのが特徴です。
ブラジルでスパークリングワインを手がける作り手
ブラジルには良質なスパークリングワインを手掛ける作り手が多く存在しています。彼らの情熱と、スパークリングワイン造りに適したテロワールが、世界的に評価される高品質なワインを生み出しています。
では、具体的にどんな生産者がいるのでしょうか?ここでは、情熱あふれるブラジルのスパークリングワイン生産者たちをご紹介します。
サルトン(Salton)
ブラジル南部のワイン銘醸地、リオ・グランデ・ド・スル州に本拠を置く、ブラジルを代表する家族経営のワイナリーです。
1878年にイタリアからブラジルへ移住した家族によって礎が築かれ、1910年に正式にワイナリーを設立。創業100年を超えるその歴史と共に、高品質なワインを生産し続けています。
特にブラジルの高品質なスパークリングワインの生産者として、国際的にも高く評価されています。また、スパークリングワイン以外も幅広く手掛けており、ローマ教皇に献上されたプレミアムラインから、日常的に楽しめる手軽なテーブルワインまで、多様なニーズに応える製品群で世界中のワイン愛好家を魅了しています。
アウロラ(Aurora)
1931年にイタリア系移民のブドウ農家16家族が、力を合わせてワイン造りを行うために設立した「アウロラ」現在では1,100以上の農家が参加する、ブラジル最大の協同組合ワイナリーです。
アウロラは、多様なテロワールを反映したワイン造りを行い、手頃な価格で親しみやすいワインから、国際的なコンクールで受賞する高品質なワインまで、幅広い価格帯とスタイルのブランドを展開しています。品質へのこだわりと、消費者に寄り添う姿勢が特徴です。
また、スパークリングワインの評価も非常に高く、シャルドネやピノ・ノワールなどを使った、高品質でコストパフォーマンスに優れたスパークリングワインを多数生み出しています。
モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon )
かのドンペリの生産者として有名なモエ・エ・シャンドン社は、実はブラジルでもスパークリングワインを手掛けています。
ブラジルでの生産拠点「シャンドン・ブラジル(Chandon do Brazil)」は、1973年設立、シャンパーニュのDNAを受け継ぎながらも、ブラジル独自のテロワールを表現した高品質なスパークリングワイン造りを追求しています。
シャンドン・ブラジルが拠点を置くのは、ブラジルのリオ・グランデ・ド・スル州に広がる「セハ・ガウーシャ地域」です。この地は、標高が高く冷涼な気候がブドウ栽培に最適で、まさに高品質なスパークリングワイン造りに理想的なテロワールを備えたこの地で、世界トップレベルの技術と情熱をもってスパークリングワイン造りが行われています。
ブラジル産スパークリングワインの選び方
多くの種類が販売されており、それぞれ特徴も異なるブラジル産スパークリングワインですが、一体どんな魅力があるのでしょうか?ここからはその特徴をご紹介します。
作り手で選ぶ
ブラジルワインは作り手による違い大きいです。
作り手によって方針や思想が異なるため、最終的に出来上がるワインの味わいが大きく異なります。
ドライな辛口ワインを作る作り手から、
甘口ワインを作る作り手まで幅広く存在しているので、ご自身の好みに合った作り手のスパークリングワインを選ぶのが良いでしょう。
品種で選ぶ
ブラジルのスパークリングワインを選ぶ上で、ぶどう品種の個性はとても重要な要素です。
単一品種で作られるか、複数の品種をブレンドしているかによって味わいの複雑度が変わってきますし、ワインの甘さや香りの強さも品種によって異なります。
まずは、どのようなワインを飲みたいかを考えて、ご自身の好みに合った品種のウルグアイワインを選ぶようにしましょう。
購入時チェックリスト
ここまでに説明したブラジルワイン選びのポイントを、チェックリストにまとめました。購入時の参考にしてもらえると幸いです。
- 自身の好みに合った作り手かどうか?
- 自分好みの品種かどうか?
おすすめブラジル産スパークリングワイン4選
モエ・エ・シャンドンがブラジルで手掛けるスパークリング「モエ・エ・シャンドン パッション」

華やかな香りが魅力の「シャンドン パッション」フランスの老舗メゾン「モエ・エ・シャンドン」のグループが、ブラジルで手掛けるスパークリングワインです。
ブラジルならではの温暖な気候で育ったブドウから、トロピカルフルーツのような香りと、心地よい甘さが引き出されています。
このワインを最も楽しむなら、氷を浮かべる「アイス」スタイルがおすすめ。氷が溶けても風味が薄まらないよう造られているので、最後までフレッシュで爽やかな味わいを堪能できます。
従来のスパークリングワインとは一味違う、新しいスタイルで楽しみたい方にぴったりの一本です。
- 種類: スパークリングワイン
- 品種: マルヴァジア ディ カンディア、マスカット カネリ、ピノ ノワール
- 度数: 11.7%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 3:普通
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
酸味が穏やかで、親しみやすい味わい「サルトン ロゼ スパークリング」

華やかなサーモンピンクの色調と、きめ細かな泡立ちが美しいロゼスパークリングワイン「サルトン ロゼ スパークリング」
赤いベリーやアプリコットのようなフルーティーな香りに加え、トーストのような香ばしいニュアンスも感じられ、酸味が穏やかで親しみやすい味わいが特徴です。
ブラジルの伝統的なスパークリングワインの魅力と、新しい感覚のモダンなロゼの味わいを両方楽しみたい方に、ぜひ一度試してもらいたい一本です。
- 種類: スパークリングロゼ
- 品種: ピノノワール、シャルドネ
- 度数: 11.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
南国ブラジルらしいダイナミックでフルーティーなスタイル「アウロラ エスプマンテ・ブリュット」

南国ブラジル生まれのスパークリングワイン「アウロラ エスプマンテ・ブリュット」です。
このスパークリングワインは、フレッシュな柑橘類の風味とキレのある酸味が特徴的です。
口に含むと、白い花や白桃を思わせるアロマが広がり、爽やかで軽快な口当たりが楽しめます。トロピカルな果実味とキレのある酸が見事なバランスを織りなす、南国ブラジルらしいダイナミックでフルーティーなスタイルを楽しむことができます。
さらに、このクオリティながら値段もお手頃なので、お財布にも優しい価格帯。気軽に手に取れる一本です。
- 種類: スパークリングワイン
- 品種: ピノノワール、シャルドネ
- 度数: 11.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 5:強い
- 果実味: 3:普通
華やかなマスカットの香りが特徴「カーサ・ペリーニ モスカテル エスプマンテ」

華やかなマスカットの香りと、数々の受賞歴が品質を証明する「カーサ・ペリーニ モスカテル エスプマンテ」
心地よい甘さとマスカット由来の爽やかな酸味が絶妙に調和した、優しい味わいのスパークリングワインです。ジャスミンや白い桃を思わせる、華やかでエレガントな香りが特徴です。
「世界のワイン2017年」でトップ5に選出されるなど、国際的な評価の高さも魅力の一つ。華やかなアロマと甘口の味わいを好む方に、自信を持っておすすめできる一本です。
- 種類: スパークリングワイン
- 品種: モスカテル 100%
- 度数: 7.5%
- 生産地: リオグランデ・ド・スル州
- 生産者: カーサ・ペリーニ(Casa Perini)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 4:強め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
比較表
ここまでに説明したブラジル産スパークリングワインの特徴を表にまとめました。
購入時の参考にしてもらえると幸いです。
モエ・エ・シャンドン パッション | サルトン ロゼ スパークリング | アウロラ エスプマンテ・ブリュット | カーサ・ペリーニ モスカテル エスプマンテ | |
---|---|---|---|---|
写真 |
![]()
|
![]()
|
![]()
|
![]()
|
本体価格 | 3,540 円 |
5,500 円 |
2,150 円 |
2,090 円 |
種類 | スパークリングワイン | スパークリングロゼ | スパークリングワイン | スパークリングワイン |
品種 | マルヴァジア ディ カンディア、マスカット カネリ、ピノ ノワール | ピノノワール、シャルドネ | ピノノワール、シャルドネ | モスカテル 100% |
度数 | 11.7% | 11.5% | 11.5% | 7.5% |
生産地 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 | リオグランデ・ド・スル州 |
生産者 | モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon) | ヴィニコラ・サルトン (Vinícola Salton) | ヴィニコラ・アウロラ (Vinícola Aurora) | カーサ・ペリーニ(Casa Perini) |
内容量 | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml |
渋み | 1:弱い | 1:弱い | 1:弱い | 1:弱い |
甘み | 3:普通 | 2:弱め | 2:弱め | 4:強め |
酸味 | 3:普通 | 3:普通 | 5:強い | 3:普通 |
果実味 | 4:強め | 4:強め | 3:普通 | 4:強め |
価格を調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる |
おわりに
いかがでしたでしょうか?
まだ日本国内では知名度の低いブラジルワインではありますが、とても高品質なワインが多く値段もお手ごろ。その魅力により世界からも注目されています。
個性豊かで品質の高いワインが多く、一度味わえば、きっとその奥深さに魅了されると思いますので、ぜひ一度試しても見てはいかがでしょうか。
今回の記事が、ブラジルワインに興味がある方にとって、参考になれば幸いです。
※ 価格は2025年8月時点のものとなりますのでご注意ください。