南米大陸の南部に広がるアルゼンチンの代表品種『マルベック』
その濃厚な果実味と滑らかなタンニンで、世界中で愛されている品種ですが、その魅力とは一体何なのでしょうか?
この記事では、
- アルゼンチンの代表品種『マルベック』の魅力
- 『マルベック』ワインの味わい
- おすすめのアルゼンチン産『マルベック』ワイン5選
をご紹介します。
この記事を読めば、お好みのアルゼンチン産『マルベック』ワインが見つかります。是非最後まで記事を読み進んでもらえると幸いです。
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アルゼンチンの『マルベック』の特徴
アルゼンチンの代表品種『マルベック』は、「黒ワイン」と呼ばれるほどの濃密な色調が特徴のぶどう品種です。
小粒で果皮が厚く色素が豊富なため、ワインは非常に濃い紫色や黒っぽい色合いを呈し、視覚からもその力強さを感じさせます。
アルゼンチンが世界有数の牛肉消費国であることから分かるように、マルベックは肉料理との相性が抜群です。力強い果実味とまろやかなタンニンが、ステーキやバーベキューなどの肉の旨味を最大限に引き立て、完璧なマリアージュを奏でてくれます。
世界における『マルベック』の主要産地
マルベックは、原産国であるフランスの一部地域でも栽培されていますが、現在ではアルゼンチンが世界最大の生産国です。
19世紀半ばにアルゼンチンにもたらされたマルベックは、世界の栽培面積の約75%を占める国民的品種であり、高品質なワインで世界的な地位を確立しています。
アルゼンチン国内でのシェアと主要産地
今やアルゼンチンの国民的品種となったマルベックは、国内のブドウ栽培面積の約20%を占め、その比率は年々増加傾向にあります。
特に最大の産地メンドーサ州では、栽培面積の約8割を占めており、アルゼンチンワインの生産を力強く牽引しています。
『マルベック』で作られたワインの味わい
アルゼンチンのマルベックは、「黒ワイン」とも呼ばれるほどの濃厚な色調で、ブラックベリー、プラム、カシスなどの凝縮した黒系果実のアロマが特徴です。
肉厚でジューシーな果実味が口いっぱいに広がり、力強さとボリューム感がありながらもフレッシュさを失いません。
また、高標高の恩恵を受けたまろやかなタンニンは舌触りがなめらかで、熟成によりベルベットのような質感に変化します。
『マルベック』ワインを手がける作り手
アルゼンチンを代表するブドウ品種であるマルベックは、生産者にとって特別な存在です。彼らはマルベックの可能性を最大限に引き出すべく、日々挑戦と研鑽を続けています。
では、具体的にどのような作り手がいるのでしょうか?ここでは情熱あふれるアルゼンチンのマルベック生産者たちをご紹介します。
ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco)
アルゼンチンワイン、特に高地マルベックの魅力を世界に知らしめた立役者とも言えるワイナリーである『ボデガ・エル・エステコ』
アルゼンチン北部のサルタ州、カルチャキ・ヴァレーの中心に本拠を置く、1892年設立の長い歴史を持つパイオニアとして知られています。
世界でも有数の高標高のブドウ畑が広がる、標高1,700mを超える場所で、昼夜の激しい寒暖差と乾燥した気候という、他に類を見ない特殊なテロワールでワイン造りを行っており、品質へのこだわりが強いです。
エル・エステコが造るマルベックは、このテロワールを色濃く反映しています。濃い色合いと凝縮した果実味、パワフルながら高地由来のフレッシュな酸味とエレガントなタンニンが特長です。
特に、オーガニックワイン「クマ」も日本で人気が高く、その品質は世界中で高く評価されており、アルゼンチン高地ワインの新たな可能性を切り開いています。
ボデガ・ノートン (Bodega Norton)
アルゼンチンのワイン産業を牽引する『ボデガ・ノートン』は、1895年設立の歴史あるワイナリーです。
メンドーサのアンデス麓に広がる恵まれたテロワールを活かし、最新技術で安定した品質を実現。特にアルゼンチンを代表するマルベックは、濃厚な果実味と飲みやすさ、高いコストパフォーマンスが魅力です。
日常的に楽しめるリーズナブルな価格帯から、長期熟成タイプの高級ワインまで幅広く展開しています。
カイケン (Kaiken)
チリを代表する名門ワイナリーであるモンテス社が隣国アルゼンチンで手掛けるプレミアムワイナリーが『カイケン』です。
モンテス社の長年の経験と技術が注ぎ込まれ、マルベックのポテンシャルを最大限に引き出しています。
ワイナリーは環境に配慮したサステナブルな栽培にも積極的に取り組み、自然環境と共存するワイン造りを実践。カジュアルなものからプレミアムなものまで、マルベックの多様な魅力を楽しめる幅広いラインナップを提供しています。
マルベックの主要産地であるメンドーサ州に拠点を置き、この地が持つ豊かなテロワールを最大限に活かしたワイン造りを目指しています。
トラピチェ (Trapiche)
マルベックの真価を最大限に引き出すべく日々研磨している、アルゼンチンワイン界を牽引する名門ワイナリー『トラピチェ』
トラピチェは、アルゼンチン最大のワイン産地メンドーサ州に拠点を置き、1883年の創業以来、その発展に大きく貢献してきました。
設立当初から、フランスのブドウ樹や最新技術を導入するなど、ヨーロッパ最高水準のワイン造りを追求する革新的な姿勢は今も変わらず、その品質は「アルゼンチン年間最優秀造り手賞」を複数回受賞するなど、確固たる地位を築いています。
トラピチェのマルベックは、ブドウが持つ純粋な果実味を大切にするという哲学のもと、様々な価格帯とスタイルで提供されています。手頃なデイリーワインから長期熟成に耐えるプレミアムワインまで、世界80カ国以上で愛されるトラピチェのマルベックは、アルゼンチンワインの魅力そのものと言えるでしょう。
ボデガ・カテナ・サパータ(Bodega Catena Zapata)
マルベックの品質を世界レベルに引き上げたと言われる『ボデガ・カテナ・サパータ』
特に、1980年代に誰もが栽培に適さないと考えていた高標高の畑にマルベックを植えたことは、アルゼンチンワインの歴史を変える革新でした。
アンデス山脈の麓に広がる高標高の畑は、昼夜の寒暖差が激しく、ブドウはゆっくりと時間をかけて完熟します。これにより、色濃く、アロマティックで、フレッシュな酸味とエレガントなタンニンを持つ、唯一無二のマルベックが生まれたのです。
彼らが造るマルベックは、そのシリーズごとに異なるテロワールの個性が表現されており、幅広いスタイルを楽しむことができます。
『マルベック』ワインの選び方
多くの種類が販売されており、それぞれ特徴も異なるマルベックのワインですが、実際どういった基準で選べば良いのでしょうか?
ここからはアルゼンチンのマルベックワインの選び方についてご説明します。
作り手で選ぶ
アルゼンチンの代表品種マルベックは、作り手の哲学によってその個性が大きく変わるので、どの作り手のワインを選ぶかはとても重要です。
ぜひ様々な作り手のワインを試していただき、ご自身の好みに合う一本、そしてお気に入りの作り手を見つけてみてください。
価格帯とシリーズで選ぶ
アルゼンチンの代表品種マルベックは、同じワイナリーであっても様々なシリーズを展開しています。
同じマルベックという品種であっても、デイリーからプレミアムまでシリーズによって味わいが大きく異なるため、ご予算や飲みたいシーンに合ったワインを選ぶことはとても重要です。
ぜひ様々なシリーズのマルベックを試していただき、ご自身の好みや予算に合う一本を見つけてみてください。
購入時チェックリスト
アルゼンチンの代表品種『マルベック』を選ぶ際に、考慮すべきポイントをチェックリストにまとめました。購入時の参考にしていただけると幸いです。
- 作り手の特徴(ワイナリーのスタイル)が自身の好みに合うか?
- ご予算に合った価格帯のシリーズであるか?
おすすめアルゼンチンのマルベック5選
豊かな果実味ときれいな酸味のバランスが特徴「クマ オーガニック マルベック」

クリーンな果実味と滑らかなタンニンが魅力の「クマ オーガニック マルベック」
有機栽培のブドウを使用し、標高1,700m以上の高標高の畑で育まれる、ピュアな味わいが特徴です。熟したプラムやブラックチェリーのような豊かな果実味ときれいな酸味のバランスが優れており、スミレやスパイスのニュアンスも加わります。その確かな品質とクリアな味わいを楽しむことが可能です。
滑らかなタンニンで口当たりが良く、飲みやすいミディアムボディのため、牛肉のステーキなどのがっつりとした肉料理はもちろん、普段の食事にも幅広くマッチします。オーガニックワインに関心のある方や、自然派の味わいを両方楽しみたいと願う、ワイン好きの皆様にぜひ一度試してもらいたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
凝縮した果実味が特徴「ボデガ・ノートン ロ・タンゴ・マルベック」

アルゼンチンの情熱的な文化「タンゴ」にちなんで名付けられた、その情熱的なタンゴのように日常を彩るカジュアルライン「ボデガ・ノートン ロ・タンゴ・マルベック」です。
このワインは、ブラックベリーやブラックチェリーといった黒系果実の豊かなアロマに、バニラやスパイスのニュアンスが調和し、凝縮した果実味と柔らかな口当たりが魅力の赤ワインに仕上がっています。
価格も比較的リーズナブルで、日常的にアルゼンチンのマルベックを楽しみたい方に最適です。
肉の旨味をワインの果実味とまろやかなタンニンが引き立てるこの一本は、ご自宅で本場アルゼンチンの味を楽しみたい方に、ぜひ一度お試しいただきたいワインです。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: ボデガ・ノートン (Bodega Norton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
チリのトップワイナリーがアルゼンチンで手掛けるワイン「モンテス カイケン・マルベック・レゼルヴァ」

チリのトップワイナリー「モンテス」が、アルゼンチンのテロワールと洗練された技術を融合させて手掛ける「モンテス カイケン・マルベック・レゼルヴァ」です。
口に含むと、凝縮したプラムやブラックベリーの香りに、樽熟成によるトーストやコーヒーのニュアンスが心地よく広がり、豊かな果実味とシルキーなタンニンが織りなすエレガントな味わいを楽しむことができます。
チリの洗練された技術とアルゼンチンの情熱が見事に融合した、質の高いエレガントなスタイルが魅力です。大切な方との食事や、特別な時間を彩る一本として最適なワインです。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 14.0%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: カイケン (Kaiken)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
オーク樽熟成による複雑な香り「トラピチェ オーク・カスク マルベック」

その名の通りオーク樽で熟成された、豊かな香りと複雑な味わいが特徴の「トラピチェ オーク・カスク マルベック」です。
完熟したチェリーやカシスの果実香に、バニラやクローブの甘いスパイスが加わり、ミディアムボディで滑らかな口当たりが特徴です。
リーズナブルな価格ながら、複雑な香りとバランスの取れた味わいを心ゆくまで楽しめます。非常にコストパフォーマンスの良いワインと言えるでしょう。
本格的なオーク熟成ワインの複雑な味わいを、手軽に楽しみたい方にぴったりの一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: トラピチェ(Trapiche)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
複数の畑のブドウをブレンドした複雑な味わいが特徴「カテナ マルベック」

世界にアルゼンチンワインの品質を知らしめたニコラス・カテナ氏が手掛ける、特別な一本「カテナ マルベック」です。
標高の異なる畑のブドウをブレンドすることで、プルーンやカシスの濃厚な果実味に、スパイスやチョコレートの複雑なニュアンスが加わる、エレガントなスタイルです。
フレンチオークとアメリカンオーク樽で熟成。若いうちから楽しめますが、10年以上の熟成ポテンシャルを秘めています。
ローストビーフやステーキなどの肉料理と相性抜群。アルゼンチンワインの品質を追求したい方に、ぜひ一度お試しいただきたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 13.5% 〜 14.0%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: ニコラス・カテナ・サパータ (Nicolás Catena Zapata)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 5:強い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 5:強い
比較表
ここまでに説明したアルゼンチンのマルベックの特徴を表にまとめました。
購入時の参考にしてもらえると幸いです。
クマ オーガニック マルベック | ボデガ・ノートン ロ・タンゴ・マルベック | モンテス カイケン・マルベック・レゼルヴァ | トラピチェ オーク・カスク マルベック | カテナ マルベック | |
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写真 |
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|
本体価格 | 2,028 円 |
2,315 円 |
1,794 円 |
2,008 円 |
2,970 円 |
種類 | 赤ワイン | 赤ワイン | 赤ワイン | 赤ワイン | 赤ワイン |
品種 | マルベック 100% | マルベック 100% | マルベック 100% | マルベック 100% | マルベック 100% |
度数 | 13.5% | 13.5% | 14.0% | 13.5% | 13.5% 〜 14.0% |
生産地 | メンドーサ州 | メンドーサ州 | メンドーサ州 | メンドーサ州 | メンドーサ州 |
生産者 | ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco) | ボデガ・ノートン (Bodega Norton) | カイケン (Kaiken) | トラピチェ(Trapiche) | ニコラス・カテナ・サパータ (Nicolás Catena Zapata) |
内容量 | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml |
渋み | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 5:強い |
甘み | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め |
酸味 | 3:普通 | 3:普通 | 3:普通 | 3:普通 | 3:普通 |
果実味 | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 5:強い |
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おわりに
いかがでしたでしょうか?
アルゼンチンを代表する品種『マルベック』はとても魅力的なワインです。
特にアルゼンチンのマルベックは、他国のマルベックと比較して、凝縮感のある豊かな果実味と、ベルベットのような滑らかなタンニンが特徴。一度口にすれば、その洗練された個性と奥深さに「おっ」と驚かれること、間違いなしです。ぜひ一度試してくださいね。
今回の記事が、アルゼンチンのマルベックワインに興味がある方にとって、参考になれば幸いです。
※ 価格は2025年8月時点のものとなりますのでご注意ください。
▼ 『アルゼンチンワイン』について、もっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。