南米大陸の南東部に位置するワイン生産国アルゼンチン。その中でも、豊かな自然と醸造の歴史を誇る名醸地『メンドーサ』は、そのテロワールを反映した非常に魅力的なワインが多く生産されています。
では、どのような特徴を持ち、どんな魅力があるのでしょうか?
この記事では、
- アルゼンチンの名醸地メンドーサの特徴
- メンドーサの主な作り手
- おすすめのメンドーサ産ワイン5選
をご紹介します。
この記事を読めば、きっとお好みのメンドーサのワインが見つかります。是非最後まで記事を読み進んでもらえると幸いです。

アルゼンチンの名醸地『メンドーサ』の特徴
アルゼンチンの中央西部、アンデス山脈の東麓に位置するメンドーサ。山脈の麓に広がるワイン産地で、アルゼンチンのワイン生産量の約70%を占める巨大産地です。
メンドーサのワイン文化は、19世紀後半にイタリアやスペインからの移民によってもたらされました。彼らの持ち込んだブドウ栽培や醸造の技術が、この地の独自の環境と結びつき、独自のワイン文化を築き上げました。
メンドーサ産のワインは、日本市場において徐々にその存在感を高めており、多様な価格帯やスタイルの商品が流通しています。
特に、アルゼンチンの代表品種であるマルベックを使ったワインを中心に、幅広い選択肢から購入することが可能です。
『メンドーサ』の気候
メンドーサはアンデス山脈の内陸に位置し、年間を通して昼夜の寒暖差が非常に大きい大陸性気候が特徴です。
年間を通じて非常に乾燥しているため、ブドウの病害抑制に優れ、高品質なブドウ栽培に適した環境を提供します。また、豊富な日照時間が糖度を高め、大きな寒暖差が酸味と香りを凝縮させる効果をもたらします。
メンドーサは極めて乾燥しているため、ブドウ栽培にはアンデス山脈の雪解け水を利用した灌漑が不可欠です。この水資源を効率的に利用する先進的な技術が、メンドーサの高品質なワイン生産を力強く支える土台となっています。
このような大陸性気候の恩恵と、アンデス山脈の雪解け水に支えられた地理的条件が相まって、メンドーサは凝縮感と力強い果実味、バランスの取れた酸味を持つ、高品質なワインを世界に送り出しているのです。
『メンドーサ』の土壌
メンドーサの土壌は、アンデス山脈からの沖積土壌が主体で、砂、シルト、粘土、小石などが複雑に混ざり合っています。水はけの良さからブドウの根は深く伸び、健全な成長を促します。アンデス由来の豊富なミネラル分は、ワインに複雑な風味と深みをもたらします。
また、特に高標高の地域では、土壌に多くの小石や岩が含まれます。これらは日中の太陽熱を蓄え夜間に放熱することでブドウの成熟を助ける重要な役割を果たします。
さらに、この礫(れき)の多い土壌は、ブドウの樹に適度なストレスを与え、粒が小さく凝縮したブドウを実らせます。これにより、色濃く風味豊かな、力強いワインが生まれるのです。
『メンドーサ』の主要品種
メンドーサはアルゼンチン最大のワイン産地であり、赤白問わず様々なワインが作られていますが。
主にはアルゼンチンの代名詞「マルベック」や、国際品種「カベルネ・ソーヴィニヨン」、そして固有品種の白「トロンテス」などが多く栽培されています。
特に、メンドーサの環境はマルベックにとって最適で、凝縮感のある果実味と、ビロードのような滑らかなタンニンをもたらします。肉厚でジューシーな味わいは、ステーキなどの肉料理と非常に相性が良いとされています。
『メンドーサ』で作られたワインの味わい
では、メンドーサで生産されるワインはどのような味わいなのでしょうか?
メンドーサのワインは、乾燥した気候と豊富な日照時間により、凝縮感のある果実味と力強い骨格を持つものが多く見られます。
また、プラムやブラックベリー、チェリーなどの豊かな果実味に加え、高標高と昼夜の寒暖差がもたらすしっかりとしたタンニンと酸味が特徴です。
さらには、樽熟成により、ヴァニラ、スパイス、チョコレートといった複雑なアロマも加わり、奥行きのある味わいとなります。
総じて肉料理との相性が良く、特にマルベックと牛肉の組み合わせは世界中で愛されています。
『メンドーサ』でワイン作りを営む作り手
アルゼンチン屈指の名醸地メンドーサでは、その恵まれた土壌と気候条件により、多くのワイナリーが集まっています。
では、具体的にどのような作り手がいるのでしょうか?ここでは、メンドーサに畑をもつ代表的なワイナリーをいくつかご紹介します。
ボデガ・ノートン (Bodega Norton)
『ボデガ・ノートン』はアルゼンチンのワイン銘醸地、メンドーサ州に本拠を置く、アルゼンチンを代表する大規模ワイナリーです。
1895年にイギリス人によって礎が築かれ、スワロフスキー社のオーナーファミリーが所有する現在は、創業120年を超えるその歴史と共に、高品質なワインを生産し続けています。
特にアルゼンチンを代表する赤ワインよう品種であるマルベックの品質に定評があり、凝縮した果実味と滑らかなタンニンが特徴。その優れた品質とコストパフォーマンスは、日本を含む世界中で高く評価されています。
カイケン (Kaiken)
アルゼンチン・メンドーサ州に位置する、世界で認められるモダンなワイナリー『カイケン』です。
チリのトップワイナリー「モンテス」の創業者が、アンデス山脈を越えアルゼンチンで手掛けます。
チリで培った高い醸造技術を、アルゼンチンの高標高テロワールに見事に融合。高品質かつエレガントなスタイルとして、世界中で高い評価を集めています。
トラピチェ (Trapiche)
1883年に創業された老舗『トラピチェ』は、生産量・輸出量ともにアルゼンチン最大のワインブランドです。
トラピチェは、高品質なワインをリーズナブルな価格で提供し、幅広いラインナップを展開しています。手頃なスタンダードから、厳選されたプレミアムレンジまで多岐にわたります。
また、オーガニック栽培など環境に配慮した革新的なワイン造りにも取り組んでいます。
ボデガ・カテナ・サパータ(Bodega Catena Zapata)
アルゼンチンワインの品質を世界レベルに押し上げたパイオニア、『ボデガ・カテナ・サパータ』。1980年代、3代目ニコラス・カテナ氏が主導した「品質革命」により、アルゼンチンワインの歴史と未来を築きました。
メンドーサのアンデス山麓に広がる高標高畑は、昼夜の寒暖差が激しく、ブドウに凝縮した果実味と生き生きとした酸を与えます。カテナは科学的な研究と多様な土壌の探求を通じ、高品質なワイン造りを確立しました。
メンドーサの象徴たるアドリアンナ・ヴィンヤードは、標高1,500mの極限的な高地から、世界が認める最高峰ワインを生み出します。この地でマルベックの多様性を追求し、国際的に評価される複雑な味わいを実現しています。
『メンドーサ』のワインの選び方
メンドーサには多くのワインが存在していますが、実際どういった基準で選べば良いのでしょうか?
ここからはメンドーサのワインの選び方についてご説明します。
作り手で選ぶ
『メンドーサ』で造られるワインは、同じ産地であっても、作り手が持つ畑の環境や醸造方法によって、その味わいは大きく変化します。
まずは、ご自身の好みに合った味わいのワインを手がける作り手であるかを確認した上で、ワインを選ぶことでお好みのワインに出会うことができるでしょう。
品種で選ぶ
メンドーサでは多くのぶどう品種が栽培されており、それぞれ品種ごとに特徴が異なるので、ワイン選びの際にどの品種にするかはとても重要な要素です。
まずは、どのような味わいのワインが飲みたいかをイメージしてみましょう。そのイメージにあった品種のワインを選ぶことで、お好みのワインを見つけることができると思います。
購入時チェックリスト
メンドーサのワインを選ぶ際に役立つチェックリストをご用意しました。ぜひ購入時の参考にしてください。
- 生産者のスタイルは自身の好みに合っているか?
- 自分好みの品種であるかどうか
おすすめメンドーサ5選
豊かな果実味ときれいな酸味のバランスが特徴「クマ オーガニック マルベック」

クリーンな果実味と滑らかなタンニンが魅力の「クマ オーガニック マルベック」
有機栽培のブドウを使用し、標高1,700m以上の高標高の畑で育まれる、ピュアな味わいが特徴です。熟したプラムやブラックチェリーのような豊かな果実味ときれいな酸味のバランスが優れており、スミレやスパイスのニュアンスも加わります。その確かな品質とクリアな味わいを楽しむことが可能です。
滑らかなタンニンで口当たりが良く、飲みやすいミディアムボディのため、牛肉のステーキなどのがっつりとした肉料理はもちろん、普段の食事にも幅広くマッチします。オーガニックワインに関心のある方や、自然派の味わいを両方楽しみたいと願う、ワイン好きの皆様にぜひ一度試してもらいたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
樹齢30年以上の古樹のブドウと複数樽熟成が特徴「ボデガ・ノートン カベルネ・ソーヴィニョン・レゼルヴァ」

古樹の恵みをフレンチ&アメリカンオーク樽で丹念に熟成させた、ボデガ・ノートンが誇る上級シリーズ「カベルネ・ソーヴィニョン・レゼルヴァ」です。
カシスやブラックベリーのような黒系果実の香りに、樽由来のバニラやトースト香が複雑に溶け込んでいます。
しっかりとした骨格と、力強くも滑らかなタンニンが、このフルボディワインに深遠な飲みごたえを与てくれる一品です。
これぞ「レゼルヴァ」と呼ぶにふさわしい、複雑味と品質を兼ね備えた一本。カベルネ・ソーヴィニョンの奥深い魅力を、心ゆくまで堪能したい方に特におすすめです。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: カベルネ・ソーヴィニョン 100%
- 度数: 14.5%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: ボデガ・ノートン (Bodega Norton)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 2:弱め
- 果実味: 4:強め
チリのトップワイナリーがアルゼンチンで手掛けるワイン「モンテス カイケン・マルベック・レゼルヴァ」

チリのトップワイナリー「モンテス」が、アルゼンチンのテロワールと洗練された技術を融合させて手掛ける「モンテス カイケン・マルベック・レゼルヴァ」です。
口に含むと、凝縮したプラムやブラックベリーの香りに、樽熟成によるトーストやコーヒーのニュアンスが心地よく広がり、豊かな果実味とシルキーなタンニンが織りなすエレガントな味わいを楽しむことができます。
チリの洗練された技術とアルゼンチンの情熱が見事に融合した、質の高いエレガントなスタイルが魅力です。大切な方との食事や、特別な時間を彩る一本として最適なワインです。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 14.0%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: カイケン (Kaiken)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 4:強め
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 4:強め
複数の畑のブドウをブレンドした複雑な味わいが特徴「カテナ マルベック」

世界にアルゼンチンワインの品質を知らしめたニコラス・カテナ氏が手掛ける、特別な一本「カテナ マルベック」です。
標高の異なる畑のブドウをブレンドすることで、プルーンやカシスの濃厚な果実味に、スパイスやチョコレートの複雑なニュアンスが加わる、エレガントなスタイルです。
フレンチオークとアメリカンオーク樽で熟成。若いうちから楽しめますが、10年以上の熟成ポテンシャルを秘めています。
ローストビーフやステーキなどの肉料理と相性抜群。アルゼンチンワインの品質を追求したい方に、ぜひ一度お試しいただきたい一本です。
- 種類: 赤ワイン
- 品種: マルベック 100%
- 度数: 13.5% 〜 14.0%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: ニコラス・カテナ・サパータ (Nicolás Catena Zapata)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 5:強い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3:普通
- 果実味: 5:強い
トロピカルフルーツのアロマが特徴「トラピチェ ヴィンヤーズ トロンテス」

アルゼンチン最大のワイナリー、トラピチェが手掛ける、手頃な価格でトロンテスの魅力を手軽に楽しめるエントリーレベルの『トラピチェ ヴィンヤーズ トロンテス』です。
このワインは、マスカットやトロピカルフルーツ、白い花の香りが華やかに広がり、フレッシュで爽やかな酸味とエレガントな果実味を持つ辛口です。
コストパフォーマンスも高く、高品質なトロンテスを手軽に楽しむことが可能です。
トロンテスを気軽に試したい方に、きっと新しい発見となる一本です。
- 種類: 白ワイン
- 品種: トロンテス 100%
- 度数: 13.5%
- 生産地: メンドーサ州
- 生産者: トラピチェ(Trapiche)
- 内容量: 750ml
- 渋み: 1:弱い
- 甘み: 2:弱め
- 酸味: 3: 普通
- 果実味: 5: 強い
比較表
ここまでに説明したメンドーサの特徴を表にまとめました。
購入時の参考にしてもらえると幸いです。
クマ オーガニック マルベック | ボデガ・ノートン カベルネ・ソーヴィニョン・レゼルヴァ | モンテス カイケン・マルベック・レゼルヴァ | カテナ マルベック | トラピチェ ヴィンヤーズ トロンテス | |
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写真 |
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|
本体価格 | 2,028 円 |
2,013 円 |
1,794 円 |
2,970 円 |
1,375 円 |
種類 | 赤ワイン | 赤ワイン | 赤ワイン | 赤ワイン | 白ワイン |
品種 | マルベック 100% | カベルネ・ソーヴィニョン 100% | マルベック 100% | マルベック 100% | トロンテス 100% |
度数 | 13.5% | 14.5% | 14.0% | 13.5% 〜 14.0% | 13.5% |
生産地 | メンドーサ州 | メンドーサ州 | メンドーサ州 | メンドーサ州 | メンドーサ州 |
生産者 | ボデガ・エル・エステコ(Bodega El Esteco) | ボデガ・ノートン (Bodega Norton) | カイケン (Kaiken) | ニコラス・カテナ・サパータ (Nicolás Catena Zapata) | トラピチェ(Trapiche) |
内容量 | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml | 750ml |
渋み | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 5:強い | 1:弱い |
甘み | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め | 2:弱め |
酸味 | 3:普通 | 2:弱め | 3:普通 | 3:普通 | 3: 普通 |
果実味 | 4:強め | 4:強め | 4:強め | 5:強い | 5: 強い |
価格を調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる | Amazonで調べる 楽天で調べる Yahooショッピングで調べる |
おわりに
いかがでしたでしょうか?
アルゼンチンの名醸地『メンドーサ』は、アルゼンチン国内における主要なワイン産地であり、数多くの個性豊かなワイナリーが集積しています。
その味わいは、豊かな果実味と、メンドーサ特有のアンデス山脈由来の土壌と高標高がもたらすミネラル感や凝縮感、そしてバランスの取れた酸味が見事に調和した、複雑かつエレガントなスタイルが特徴です。
ぜひ一度、この地のテロワールが育んだワインを試してみてくださいね。
今回の記事が、アルゼンチンワイン、そして特にメンドーサの魅力に興味がある方にとって、新しい発見となれば幸いです。
※ 価格は2025年8月時点のものとなりますのでご注意ください。
▼ 『アルゼンチンワイン』について、もっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。